整理収納アドバイザーの資格を持ち、長年小学校の養護教諭をしていた経験から専門雑誌「健」に「保健室の整理収納」について連載中です。
1月号は、「溜まる保健指導の教材の整理収納」です。
ご質問内容としては、
「小学校に勤務しています。年に2回、学年層ごとに保健指導を実施しているので、教材がたくさんあります。また担任の先生が使う保健指導の教材や、季節ごとに貼りかえる掲示物などもあって、毎年溜まる一方で困っています。どれも今後使いたいので、掲示物・教材の整理収納方法を教えてください」というものでした。
養護教諭は、発育測定の時や保健学習で子どもたちに心や体について指導をする機会があります。
効果的な指導にするために、さまざまな媒体を使ってアプローチをします。
すると、どんどん手作り教材が増えてしまい、これからも活用したいと思っていると、保管するスペースの確保や活用しやすい収納に頭を悩ませることになります。
今回は、そんなお悩みに対しての整理収納です。
お答え:誰がどのくらい使うのかを考えると見えてきます
読者様から寄せられたお悩みをLINEでお写真を送っていただき、LINEでいろいろとアドバイスをしながら解決しました。
現状は、衣類コーナーの収納棚(下の左側)に、厚紙で作ったカバン型の入れ物(写真中央)で立ててありました。
その中には、教材をビニール袋に入れてありました。(写真右側)
まずは整理、そのあとに収納!
保健室の整理収納で大切なのは、まず整理をすることです。
整理とは「必要な物(使っている物)」と「不必要な物(使っていない物)」を分けて、不必要な物を取り除くことです。
整理を進めていくと、保健室には必要な物(使っている物)だけが残るのです。
この教材の場合も現在ある中で、まずはこれからも使う物だけ残します。
順序としては、現状を全てチェックして、傷んでいるものは手放し、残すものを選択していただきました。
現状把握のために、教材を全て書き出していただき、
●保健室でのミニ保健指導
●担任との保健指導
●その他 に分類していただきました。
そして、教材をテーマごとにまとめるのに、現状の「ビニール袋に入れてさらにカバン型の入れ物」となると二重になります。
教材を使う時に出すまでにアクション数が増えるので、なるべくアクション数を減らすようにするといいです。
この場合は、教材を透明チャック付きポリ袋に入れて、テーマを左端にラベルに貼って一目でわかるようにしました。
ここからさらに、誰が保健指導するかによって分類していただきました。
●養護教諭だけが行う保健指導教材
●担任と養護教諭がTTで行う保健指導教材
●担任だけが使う保健指導教材
それぞれ、場所を変えて保管することにしました。
場所を決めるポイントは、
「使う人にとって、どこに保管すると距離が近くなるか?」でした。
それを考えると、
●養護教諭が関わる教材⇒衣類コーナーの一角からベッド横の棚へ移動
それから、
●担任だけが使う教材⇒保健室の隣の「やすらぎの部屋」
となりました。
その結果、使う人が取りやすい場所になり、とても活用しやすくなりました。
今回のまとめ:掲示物・教材の整理収納のポイント
今回の教材の整理収納をまとめると、以下がポイントになります。
●これからも活用する物を残す
●中身が判別しやすい状態で収納する
●なるべく同じ大きさに統一して収納する
●収納は、寝かせるよりなるべく立てる
●よく使う物はアクション数を少なく収納する
●いつ、だれが、どこで、どのくらいの頻度で使う物かを考えて定位置を決める
●定位置が決まったら、誰もがわかりやすいラベリングをする
こころがけて、やってみてください。
雑誌には、イラストや写真も入って、まだまだ細かいことも掲載しています。
詳細は、健1月号をお手にとって見てくださいね。
使用頻度 というのは、物を使う度合いのことです。
保健室の中の物を、「毎日使う物」「2~3日に1回使う物」「1週間に1回使う物」「1か月に1回使う物」「1年間に1回使う物」などに分けることができます。
すると、毎日使う物から、1週間に1回使う物ぐらいまでの使用頻度の物は、比較的使う物になるので、使う人が使いやすい場所に配置しておくととても使い勝手がよくなります。これらの物は、保健室内に置くべき物になります。
反対に半年に1回使う物、1年に1回使う物、などのあまり使わない物に関しては、保健室内に置くスペースがあまり取れないのではあれば、無理に保健室の中に置かなくてもいいのです。
つまり、保健室とは別の場所に保管していてもかまいません。なぜなら、使う時に取りに行っても回数が少ないので面倒には感じないからです。ただ、注意点として、保管場所を明確にしておく必要があります。
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